野原などで見かけると、すぐに跳びはねて逃げ出してしまうバッタ。
バッタのどこにそんな力が隠されているのでしょうか?
バッタの足に関する3つの話を取り上げて、紹介していきたいと思います。
バッタの足にも歯車はあるの?
農産物の害虫、ウンカ類の幼虫は、ジャンプ1回で約1メートル飛びます。
この跳躍を可能にしているのが、後ろ足にある、歯車です。
これを使って高速ジャンプ中の動きを調節していることが分かりました。
跳躍をしている間、2本の後ろ足は互いに30マイクロ秒ずつ動かしています。
ちなみにバッタは2、3ミリ秒です。
一方、バッタの足には、そのような歯車は見られません。
昆虫の中でも長く、強靱な後ろ足を持っていて、危険を感じると跳躍して逃げてしまいます。
種類にもよりますが、バッタが跳躍する高さは、自身の体長の数倍から数十倍にもなると言われています。
この強力なジャンプ力の秘密は、後ろ足の関節に隠されていました。
レジリンというゴム状の特殊なタンパク質が、バネのような働きをしています。
おかげで、バッタは跳躍時のエネルギーを97%も使うことができ、その跳躍力の源泉となっています。
バッタの足は何本?その理由は?
足の数は6本ですが、これには、進化の流れが関係しています。
バッタなどの昆虫は、ムカデのような節の多い生き物からからゆっくりと進化しました。
その流れの中で、てきぱきと動くために、しだいに足の数を減らしていく必要性が生じました。
カメラの三脚と4本足の机や椅子を比較すると、ぐらぐらしないのは三脚の方、つまり3本足のときなのです。
動物は歩く際、たいていもう片方の足が宙にぶらりと浮いた状態になるため、動物の足の本数は偶数です。
これらのことから、足の数が3本であることが、動物が歩くときに最もバランスが保たれていると言えます。
ですから、昆虫はより安定した足の構造を求めて、6本足へと進化を遂げていきました。
バッタの足に見られる吸盤は?
バッタの住み家は大きく分けて2つ、地上性と植上性があります。
植上性では爪の間に吸盤状の器官が発達し、これを使って植物などにしがみついています。
また、ガラスのようなツルツルとしたところでも自由に歩き回ることができます。
地上性の種類では爪の間に何もないか、あっても痕跡が見られるだけです。
前者にはトノサマバッタ、カワラバッタ、ヒナバッタ、などが入ります。
後者にはショウリョウバッタ、コバネイナゴ、オンブバッタ、フキバッタなどが属しています。
ショウリョウバッタでは、細かい吸盤は見られませんが、大きな吸盤のような形状をしている部位はあります。
この大きな吸盤をうまく使って、タコのように平坦なガラス窓に止まることができると推測されます。
まとめ
バッタの足に歯車は見られませんが、レジリンというたんぱく質が大ジャンプに貢献していることが分かりました。
バッタの足の本数は、進化の過程でより安定した数へと減らしていった結果と言えます。
地上性、植上性のバッタにも見られることですが、ピッタリ密着するための吸盤があります。