同じ種でありながら緑色と褐色の二種が存在します。
バッタに限らず、カマキリにも同様なことが見られます。
今回は、バッタの色の違いをテーマにして話していきたいと思います。
茶色いバッタと緑色のバッタの違いが出るのは?
同じ種類のバッタであっても周りの環境によって体の色や形・行動・性格などに変化が起こります。
個体密度が低い場合、周りにあまり仲間がいないときは、バッタの体色は緑色です。
このような状態は「孤独相」と呼ばれています。
行動面では跳びはねて移動し、一人で暮らすことが多いです。
性格は用心深く、大人しいです。
逆に、個体密度が高い場合、仲間であふれかえっているようなときは、バッタの体色は茶色です。
このような状態は「群生相」と言われます。
仲間と集まって行動し、遠くまで飛翔することが見られます。
性格は荒々しく、攻撃的になります。
その代表例として、「トノサマバッタ」を挙げることができます。
茶色と緑色のバッタ!その代表例は?
トノサマバッタは、日本全国に分布しており、一般的に知られているバッタです。
別名は、「ダイミョウバッタ」とも言います。
きれいな緑色で、濃い茶色と白色のまだら模様の翅をもつのが特徴です。
日本のバッタの仲間の中では最大で、体長は約4㎝~約7㎝。
日当たりのよいイネ科の植物が茂っている河川敷などで目にすることができます。
前翅には茶色と白色のまだら模様があり、後翅に模様は見られません。
エノコログサやススキなど、イネ科の植物の葉を好んで食べます。
時には昆虫の亡骸を食べたり、脱皮中の仲間を襲ったりすることもあります。
乾いた荒地や草丈の低い草原を歩いていると、勢いよく飛び出してくるため、驚かされることがあります。
頭部から腹部前半と後脚腿節が若草色の緑色型ですが、全身が枯草色の褐色型を見ることができます。
通常年2回程度発生し、6月から11月上旬まで見られますが、盛夏から初秋に個体数が多くなります。
飛翔力はバッタ類の中でも群を抜いて強く、一回の飛翔で50m~100m程度は平気で飛びます。
まとめ
育ってきた環境によって体色だけではなく、行動にも変化が見られることが分かりました。
生きていくために獲得した戦略でしょうが、とても驚かされました。