古くは仮面ライダーのモデルとして、最近ではテラフォーマーズにも登場してくる昆虫として知られています。
今回はバッタの脚力に、いろんな面からスポットを当てていきたいと思います。
バッタの脚力に隠された秘密とは?
バッタの種類にもよりますが、跳躍できる高さはその体長の数倍から数十倍にも上ります。
この強力な跳躍力の秘密は、後ろ肢の関節で「バネ」の働きをする、レジリンという特殊なタンパク質が関わっています。
それはゴムのようなタンパク質ですから、跳躍したり、着地したりする際の衝撃をうまく抑えることができます。
そのおかげで、バッタは跳躍する時に蓄積したエネルギーを97%もの割合で利用しています。
ヒトは筋肉を動かして力を出しますが、その5割は熱として消費されるので、実際は残りの5割しか使えません。
昆虫界において最強の脚力をもつサバクトビバッタとは?
アフリカ、中東、アジアに分布しており、世界約60カ国、地球の陸地面積の20%の領域に暮らしています。
大量発生すると、世界人口の10%にあたる1億3,000万人の生活へ経済的な被害がおよぶと考えられています。
群れの大きさは1200㎢にもなり、1㎢に満たない領域に4,000万~8,000万匹が密集しているそうです。
1匹が1日に食べる草の量は体重とほぼ変わらず、1つの群れが毎日1億9200万㎏もの草を食べ尽くすことになります。
群れを成して、かなりの距離を飛ぶことができます。
1954年にはアフリカ北西部から英国まで、1988年には別の群れがアフリカ西部からカリブ海まで達しました。
昆虫型ロボットの開発!バッタの脚力を科学技術へ!
バッタの跳躍力を備えたロボットに小型センサーを搭載できれば、次のようなことが可能になります。
足元の不安定な場所や危険なところなどで、調査や救助活動に幅が広がります。
超小型の跳躍ロボットがスイスのローザンヌ工科大学の知的システム研究所によって開発されました。
このロボットは超小型、超軽量で、驚いたことに高さ5㎝、重さ7gです。
しかし、自身の背の高さの約27倍まで跳躍が可能で、1.4mくらいの高さまでジャンプします。
取り付けた電池で、3秒間隔でなんど320回もの跳躍をすることができます。
将来の展望として、太陽電池を搭載して活動時間を伸ばし、他の惑星での探査活動に使うことが考えられています。
まとめ
バッタの脚力の秘密はゴム状のタンパク質にあることが分かりました。
この脚力を生かして野生では大繁殖し、科学分野では新技術の開発へと貢献しています。