日本でバッタが大発生しても、辺り一面が丸裸になるような事例は近年、聞かれません。
しかし、外国においては想像を絶する被害がもたらされているところがあります。
マダガスカルにおけるバッタの大量発生について、今回は紹介していきたいと思います。
マダガスカルでバッタが大発生!
国連食糧農業機関によると、マダガスカルにおいてバッタが大発生し農作物が甚大な被害をもたらしているそうです。
バッタの種類は、マダガスカルトノサマバッタといって、日本のトノサマバッタに似ています。
国土の50%の農業生産物が大打撃を受け、1,000万に上る人々の生活に支障が出ています。
食べる者に困っている人々に食料価格の値上がりは、飢餓など深刻な事態が不可避な状況となってきています。
事態を重く見たマダガスカル政府は2012年11月27日、「バッタ警報」を発令しました。
今回の発生は、1950年代に17年間続いた大発生からの最悪な状況です。
現地ではバッタの群れに遭遇すると、バッタ以外は何も見えない状況となっています。
この群れは1日に5㎞から130㎞も飛翔できるため、被害の拡大が懸念されました。
マダガスカルでバッタが大発生した2つの原因とは?
1つ目は、天候の影響により繁殖に適した環境が整ったからです。
2009年から個体数が増加し、2013年の冬の台風によって増殖しやすい環境が整えられました。
台風通過後、産卵するための適した環境と餌となる食性が豊かになったことが今回の引き金になったと考えられています。
2つ目は、政府の初期対策の遅れにあります。
殺虫剤の散布は発生初期にすぐに行う必要がありますが、2009年、政府はバッタ防除の資金を捻出できませんでした。
早めに対策をとれば経費も少なくて済みますが、後手に回ると費用がかさんでしまいます。
例を挙げると、アフリカのサバクトビバッタでは年間3億円の費用で済むところ、
出だしが遅れたためサバクトビバッタの大発生の際には570億円もの予算を計上することになりました。
まとめ
マダガスカルでバッタが大量発生したのは、外的な要因と初期対応の遅れが原因と考えられています。
どこの国でもそうですが、何か問題が起こってからでないと政府は重い腰を上げてくれません。
改めて自然の驚異を見せつけられたような気がします。