トノサマバッタとクルマバッタはよく似た姿や形をしています。
何か見分けるための特徴はないのでしょうか?
今回はトノサマバッタとクルマバッタの違いをテーマにして話していきたいと思います。
トノサマバッタの特徴は?
日本全国に分布しているバッタの1つで、別名は、「ダイミョウバッタ」とも言います。
きれいな緑色で、濃い茶色と白色のまだら模様の翅をもつのが特徴です。
体長は約4㎝~約7㎝の大型のバッタで、オスよりメスの方が大きいという特徴があります。
頭部から腹部前半と後脚腿節が若草色の緑色型ですが、全身が枯草色の褐色型のもいます。
エノコログサやススキなど、イネ科の植物の葉を好んで食べます。
通常年2回程度発生し、6月から11月上旬まで見られます。
飛翔力はバッタ類の中でも群を抜いて強く、一回の飛翔で50m~100m程度は平気で飛びます。
通常は単独で行動し、生息する環境を離れることはなく、これを孤独相と呼びます。
単位面積あたりの個体数が限界を超えると、集団で長距離を移動するようになります。
これがいわゆる「飛蝗」で、字面から「イナゴの大群」と思われています。
しかし、その正体は実はトノサマバッタで、農耕民族の間で古くから恐れられてきた現象です。
クルマバッタの特徴は?
分布しているのは、本州から沖縄までと幅が広く、平地よりも、丘陵地や山間部の草地に多く見られます。
観察できるのは、夏から秋にかけてです。
オスは約4㎝~約5㎝、メスは5㎝~7㎝と、メスのほうがオスよりも大きいです。
きれいな緑色で、濃茶色と白色に塗り分けられた翅を持ちます。
褐色型のクルマバッタも存在します。
トノサマバッタに似ていますが、次の2つの点から見分けることができます。
まず、翅にはっきりとした白い線が見られます。
次に、背中が少し盛り上がっているところが、トノサマバッタと異なります。
後ろ翅の中央に半月状の黒い部分があり、飛ぶときにこれが黒い半円に見えるため、クルマバッタの名が付きました。
まとめ
トノサマバッタとクルマバッタは似ていますが、翅に見られる白いラインと背中の盛り上がりで区別できます。
まさかトノサマバッタに似たバッタがいるとは、まったく知りませんでした。