同じバッタの姿をしているようだが、色の違いが見られることがあります。
この色の違いが起こる理由などについて紹介していきたいと思います。
バッタの体色に、緑と茶色が見られるのは?
種類が異なるバッタではないのに、なぜ体色に違いが生じるのでしょうか。
2つの理由が考えられます。
まず、周囲の環境に自分を同化させるため、つまりカモフラージュのためだと考えられます。
草本が多いところでは緑色が出現し、砂地などでは茶色の姿を見ることができます。
次に、バッタが暮らしている環境が異なるためだと考えられます。
暮らしている土地の面積の割に、バッタの個体数が少ないと体色は緑色になります。
性格は穏やかで、単独で慎重な行動をとります。
逆に、生活環境の割に、バッタの個体数が多いと体色は茶色になります。
性格は攻撃的になり、集団で行動をし、時には大移動することも見られます。
トノサマバッタやオンブバッタに、特にこの傾向が見られます。
蝗害をもたらすのは、緑のバッタ、それとも、茶色のバッタ?
蝗害は、バッタが大群をなして移動し、食害をもたらすことを意味しています。
中国のトノサマバッタ、中近東からインドにかけているサバクトビバッタ、などが有名です。
中国のそれは日本のトノサマバッタと同じ種で、南・北アメリカと極寒地を除く広い分布しています。
群生して移住する性質をもつ群生相という性質に変化します。
草原に単独で生活する孤独相のトノサマバッタが緑色を帯び、前胸背面が中高です。
一方、群生相では全体が茶色で頭が大きく、はねが長く、後脚が短く、前胸背面の中央がくぼんでいます。
発生地の共通の特色は、水はけのよい土をもつ乾燥地で、植物の数も少ないという点です。
中国では紀元前2世紀から19世紀にかけて1330回以上の大発生が記録されています。
日本では古い記録の詳細は不明で、わずかに1770年~71年(明和7~8)に江戸の空を渡った記録と、
1880年~84年(明治13~17)に北海道で驚異的な大発生が起こっただけです。
まとめ
同じ種類であっても体色が異なるのは、カモフラージュのためと生育環境によるものと2つの理由があります。
バッタの集団移動による農作物などへの被害をもたらすのは、体色が褐色のものだと分かりました。