全国各地で多く見られるショウリョウバッタは、捕まえて飼育観察されている方も多いと言われています。
しかし、産卵させて孵化させるとなると、どうしたら良いのかわからないと言うことも多いようです。
そこで今回の記事では、ショウリョウバッタの卵の育て方について説明したいと思います。
ショウリョウバッタの卵の育て方
ショウリョウバッタは秋になると土の中に産卵し、成虫は産卵を終えると亡くなってしまいますが、生まれた卵は土の中で越冬して、翌年の6月頃に孵化すると言われています。
飼育しているショウリョウバッタを産卵させる場合には、飼育ケースに産卵用に土を入れておくことが必要です。
昆虫飼育用の土などが望ましいですが、自然の土を採取して使用する場合には、日光消毒、熱を加えての殺菌消毒などを行うようにしましょう。
ショウリョウバッタの産卵は土の中にお腹を入れて、産卵管を開いたり閉じたりして行われます。
バッタの大きさによって、必要な土の深さが変わってくるそうですが、ショウリョウバッタのメスは大型なので10㎝程の土を入れると良いとされています。
土の中に産み付けられた卵はスポンジ状の泡に覆われており、この泡を卵鞘(らんしょう)と呼ぶそうです。
また、産卵のために土の中に差し込まれたお腹は、S字状に曲がって伸び、ゆっくりと抜きながら産卵するため、卵鞘も曲がった形をしていると言われており、産卵後すぐの卵鞘は白色をしていますが、次の日になると薄い褐色に変わるそうです。
この卵鞘は卵を温度の変化などから守る役目があり、防水効果もあるので大雨に降られても問題ないとされています。
このように野生下で土の中で越冬する卵は、飼育下においても外気の温度変化にさらされる必要があるそうです。
そのため、飼育下で土の中に産み付けられた卵は、ケースに入れたまま軒下などに置いて、外気の寒さを経験させます。
ケース内で土が乾燥してしまうことがありますので、時折観察し、乾燥しているようであれば霧吹きなどで湿り気を与えてあげると良いでしょう。
温度が高すぎると孵化できなくなる恐れがありますので、必要以上に構いすぎないように注意しましょう。
まとめ
ショウリョウバッタの卵は卵鞘に守られているため、寒さや雨などに負けず越冬することができるのですね。
卵を孵化させるためには、同じような条件で越冬させなくてはならないそうですから、過保護にしないように孵化までそっと見守ってあげましょう。