イネが育ちあがることになると水田を飛び交っている小さな虫のウンカには隠された秘密があります。
では、バッタにもこれと同じような秘密があるのでしょうか?
今回は、バッタに関する秘密をテーマに話していきたいと思います。
ウンカの歯車、バッタは?
農産物の害虫として知られている、ウンカ類の幼虫は、ジャンプ1回で約1m飛ぶことができると言われています。
この大ジャンプを可能にしているのが、後ろ足に見られる、歯車です。
最近の研究によると、この歯車を使って高速ジャンプ中の動きを微調整していることが分かりました。
跳躍をしている間、2本の後ろ足は互いに30マイクロ秒ずつ動かしているから、無駄のない動きをすることができます。
マイクロ秒とは、ほんの一瞬のことです。
ちなみにバッタの場合は2、3ミリ秒ですから、その速さは雲泥の差です。
一方、バッタの足には、そのような歯車を観察することはできません。
しかし、バッタは昆虫の中でも長く、力強い後ろ足を持っていて、身の危険を感じると跳躍して逃げることが可能です。
種類にもよりますが、バッタのジャンプは、体の大きさの数倍から数十倍にもなると言われています。
この驚異的なジャンプ力には、秘密が隠されています。
それは後ろ足の関節に、特殊なタンパク質(レジリン)があり、それが関わっていることが分かりました。
ゴムのようなその物質は、伸び縮みをしてゼロ距離からの跳躍を可能にしたり、着地の衝撃を和らげたりしています。
そのおかげで、バッタはジャンプ時の力をほぼ100%使用することができています。
まとめ
ウンカの幼虫もバッタも驚くようなジャンプ力を有することが分かりました。
ウンカの場合は、後ろ足にある歯車がうまく機能して大ジャンプを可能にしています。
一方、バッタの場合は、後ろ足の特別なタンパク質がバネのような役割を果たしています。
両者ともにジャンプに定評のある昆虫ですが、そのしくみは全く異なるものでした。